今日の午後にサムライジャパンの2連覇で幕を閉じたWBCにすっかり付き合ってしまい、ここ数日は仕事も手に付かぬありさまだった。昨夜はアメリカに勝った準決勝の報道を見ながらドメーヌ・デュ・ビシュロン マコン・ペロンヌV.V.2006を開け、また前日抜栓したアナケナ シングルヴィンヤード カルメネール2006の続きを飲んだ。ビシュロンは青山の和食屋で出会って以来気に入って何本か飲んだ。夕食につくった鯛の煮物に合うと思って久しぶりに買ったのだが、以前とちょっと印象が違った。ヴィンテージが違うのか、自然派ならではの「ブレ」か? 一方、アナケナは昨日よりもまとまりが出て味わいが上がったように感じた。そんなチリワインの充実ぶりにそそのかされて考えたわけでもないが、今回のWBCで起こっていることはワインの事情と相通じるところがあると思う。アメリカで生まれた(キューバが発祥という珍説もある)野球がアジアでスモールベースボールという技術と出会って花開き、ついには本家を圧倒するまでになった。アメリカやキューバをフランスやイタリアに置き換えると、ワインのたどった経緯と似てはいないだろうか。野球における日本や韓国はさしずめワインにおけるチリやニュージーランド、そして日本である。感動や驚きを与えてくれるワインなら、どこの産でも品種が何でもかまいはしない。最近強く感じていることを野球を通じて再認識したかたちだ。
きょうの決勝戦、4時間に及ぶ試合の半ば、どこまでも互角に戦う日韓選手のプレーぶりを見て、もうどっちが勝ってもいいじゃないかという境地に至った。野球もワインも、抜きん出たものに国籍も愛国心も何も関係ないのだ。
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