リッツ・カールトンでバリューボルドー2009の試飲会。僕のワイン飲みとしての足腰を鍛えてくれたのはバリューボルドーだったと言ってよい。その点ではひとかたならぬ恩義を感じているのだ。100本のほとんどすべてを試飲(途中からはほとんど意地で)。玉石混淆なれど何本かは「オッ!」と神経が反応するものもあった。とはいえ、去年と比べると総じて低調な気がしたのは、こちらのコンディションのせいか。会場でたまたま会った同業の友人Kクンが「今年の赤はあっさりというか浅いと感じました」との感想をメールでよこしたが、たしかにそういう印象はあって、それが僕にはメルロ主体のものが目立ったせいもあると思えた。メルロ主体のワインが「あっさり」とか「浅い」とは言えないが、ボルドーのワインを100本並べるのならもう少し左岸タイプというかカベルネ主体のタフなものが多くあってもいいと思うのだ。3500円以下という価格設定の縛りのせいもあるのだろう、あるいは昨今の世間の嗜好と選者の傾向がメルロ的な方向へとなびいているのか、とにかく飲んでも飲んでもメルロであった。
100本のコーナーとは別にボルドーを扱う業者のブースが出ており、余勢を駆っていくつか試飲したが、むしろそちらの方にグッとくるものが連発した事実にバリューボルドーという企画の実力というか内情というかが見えた——なんて言ったら問題発言だろうな。
ミッドタウン内のディーン・アンド・デルーカでワシントン州の白を、プレッセでスペインの白赤各1本をそれぞれ購入。
帰宅後しばらくはワインを飲む気にならなかったが、夜更けにはまたその気が戻ってカプサネス マス・コレット2005を抜栓。先日のスペインワイン・プレスミーティングで帰りに手土産としてもらったもの。ガルナッチャ、サンソー、テンプラニーニョ、カベルネの混醸。なにやら意欲作らしいが、初日の印象は「荒々しい」の一言。というか、もしや劣化している? ネットで調べてみたらカプサネスはプリオラートの近くの村(DOはモンサン)。このボデガは80年代までへこんでいたのが90年半ば以降につくりを改め評価を得たらしい。やはり、どうもプリオラートに呼ばれている気がしてならない。
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