2009年1月30日金曜日

あるところにはあってないところにはないもの

スペイン大使館経済商務部に挨拶に行く。「ワイン+旅」ムックのシリーズ化を目論んでの営業活動の一環。他のワイン産地同様、スペインもPR関係の予算がどんどん減らされているとのこと。こうなると円高も痛い。が、とにかく、ジャーナリストのリストに僕の名前を載っけてもらえるとのこと。「お付き合い」が始められることで成果とする。

帰途、恵比寿のパーティに寄って3本購入。ヴォーヌ・ロマネのぶどうだけを使ったブルゴーニュのクラシック・スタイル(ブルゴーニュ・ルージュ ラ・コルヴェ・オー・プレトル ドメーヌ・ド・ラ・プレット2006)、ずっと気になっていた1500円のスプマンテ(サンテロ)、以前に白は飲んだが赤の評判がいいので飲んでみたかったスペイン(エルカビオ・ロブレ2006)。

バロン・フィリップ・ド・ロートシルトのPRを任されたH社のSさんからラングドックのヴァン・ド・ペイ、カラバスの赤白各1本がきのう届いた。赤はシラー主体の混醸、白はシャルドネ100%。きのうからきょうにかけて飲んでみたが、いずれも上品にまとまっていてそつがなく2000円台の値段を考えると優秀なワイン。ただ、優等生にありがちな冒険心のなさはちょっと気になった。

今宵は、『ロスチャイルド家』(講談社現代新書)を読んでお勉強。ワイン本の執筆は進まず。

2009年1月29日木曜日

革命は一日にして成らず

昨夜は六本木でチェ・ゲバラの映画『チェ 28歳の革命』を観に出かけ、深夜に帰ってから、前日に開けたカサーレ・ベッキオ・ファルネーゼ2007の残りを飲んだ。映画の主演俳優ベニチオ・デル・トロは映画の準備に10年もの時間を費やしたと、どこかで読んだ。僕はいま手がけているワイン本のことを考えた。書店には毎月続々とワインに関する新刊が新たに並んでいる。経済的なこともあって、早く自分も本を世に出したい。しかし、まだ版元には企画書すら出していない。日々焦りは募っていた。が、一方で、同じ出すならちゃんとしたものを出したいという思いもある。
午前3時前からmacに向かい、少しだけ第1章の冒頭部分を書いた。15年くらい前に中目黒のワインバーでワインを本格的に飲み始めたという、ごくごく個人的なエピソード。

2009年1月27日火曜日

前書きはほぼ完成

ゆくゆくはワイン本になるべき文章のタイトルは「ワインは友だち」とした。芸術的でもお洒落でもないが、シンプルで力強く、親近感が湧くタイトルだと思う。ワインを特権階級の手から解放し、民衆の手に取り戻そうとのメッセージもここに込めたつもりだ。このブログとは別に原稿用のブログを立ち上げ、今日まで3日かかって前書きはほぼ書き上げた。対象は30代女性と50代、60代の男女で、ワインに興味はあるが、敷居が高いのではと躊躇して深入りしないでいる人たち。文体は「です・ます調」にし、自分のことは「僕」にした。

今日はバー誤解に行くつもりだったが、昨夜に引き続き店主が行方不明。あいつ、さては風邪でも引いたか? 致し方なくうちにいて、カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ2007を抜栓。ワインショップのポップに『神の雫』のコピーが載せられ、そこに「イタリアのモンペラ」とあったが、モンペラほどの独自性はない。現代的で、イタリアワインのよさもちゃんと備えたおいしいワインだが、それ以上に語るべきものは今夜の時点では感じられなかった。2205円の明日に期待。

2009年1月24日土曜日

書き始めればきっと見えてくる

昨夜は久しぶりに凝縮系のワインを飲んだ。アルゼンチンのアマラヤ・デ・コロメ。マルベック主体だが、カベソー、シラー、タナー、ボナルダを混醸。ここしばらくの間、勉強の意味もあってピノノワールを集中的に飲んでいたので、新鮮な気分。ピノの世界もわからぬではないが、やはり僕の性分にはこういう朗らかで外向的なワインが合うのだろう。

ところで、ワイン本の企画のこと。コンセプトや構成のことであれこれ思案してばかりいてもなかなか先が見えない。案ずるより産むが易し。とにかくアタマから、あるいは書きやすいところから書いてみたらどうかと思い立った。早朝、愛猫に起こされた直後のベッドの中でのことだ。教育テレビでNHK交響楽団がショスタコーヴィッチとヤナーチェクを演奏していて、これに励まされる感じで、頭のなかに書き出しの文言が浮かんできた。こういうのを逃してはならない。トイレでしゃがみつつ、わが精神に気合いを入れる柏手をパンと拍って、紅茶とコーヒーを立て続けに飲んで、PCに向かう。iTunesで先述のどちらかの音を買おうと思って視聴したが、けっきょく流れ流れてマーラーの『巨人』をダウンロードし、それを聴きながら、簡単な構成案を作った。悪くないスタートだ。さあ、またまた新たな旅を始めるとしよう。

2009年1月23日金曜日

見る前に跳べるか?

日々飲むワインのことやワインについて思うことを書き留めよう。そう思って突然ブログを開設した。タイトルの「飾りじゃないのよワインは」には、おいしいワインを庶民の手に! という思いを込めたつもり。

昨日ルイ・ジャドの試飲会に行ってきた。ルイ・ジャドは今年創業150周年。テイスティングは07年のバレル・サンプルが中心。もともとブルゴーニュに関しては知識が浅いというのに、さらにバレル・サンプルからの試飲というのではワインの良し悪しを聞き分けるのは至難の業だ。

会場をあとにし、K氏とインド料理を食べながら、去年の暮れから宿題になっていたワインに関する単行本の企画の話をする。K氏は丸元淑夫の著書を何度も引き合いに出して、今回の企画では丸元の本でいうアメリカの食事理論にあたる「ワインを飲むためのシステム」を確立し、それを標榜する必要があるという。僕にはまだそのあたりのことでは迷いがある。ワインの道に近道はない。経験が僕にそう告げている。いい加減な「システム」をひねり出しても読者に対して訴求しないだろう。では何を縦糸にしてワイン生活、ワインの楽しみ、ワイン道を語るのか? 枝葉はあって幹や根がない。これでは木は立っていられない。昨日の試飲会場で、ふとわれに返って周りを見渡した。ワインに関しては一言も二言もありそうな強者ども。彼らに読んでもらって、それなりに満足してもらえるものを書かなくてはならない。今回の企画の対象が、ビギナーであれなんであれ。