2010年10月31日日曜日

シャブリ熟考→ワイン姫


 10月某日、シャブリのプルミエ・クリュ(1級)を2本飲み比べ。飲み比べたのは、ウィリアム・フェーヴルのヴォロラン2008とジャン・マルク・ブロカールのモンマン2008。開栓直後は前者のほうが堅牢、後者は陽性のフルーツを感じる。15分ほど経つと、ヴォロランは果実が出て、もともとのミネラルやヨードと相俟って厚みを感じるように。一方、モンマンはアフターにマーマレード風味があるのが好もしいものの、薄いままで先伸びは期待できない。ヴォロランはグラン・クリュのすぐ隣。やはりそれだけのことはある。

 シャブリのプルミエ・クリュで日本人に人気が高いのはフルショームだと聞いたことがあるが、等級が旨さと合致するシャブリにおいて、傾斜、向きともにグラン・クリュとほぼ同条件の畑なのだから、旨いのも道理。それを好みとした日本人の嗅覚はなかなかすごい。なおかつ、GCのなかではもっとも北(つまりフルショーム寄り)に位置するレ・プルーズはGCのなかでも最も優しい味わいで女性的。硬くてごついレ・クロやブランショーよりも日本人好みであるはず。つまり、旨さと優しさにおいてフルショームが日本人受けしているのだと推測した。

 このところ、複数の原稿の締め切りに追われ、ワインの表現について考えすぎているものだから、きのうの夢には白装束のワイン姫が登場した。やさしく労ってくれて、すごく癒されたが、そういう夢から目覚めてからのゲンジツは一層つらく感じられるのだった。はぁ……

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