2010年10月31日日曜日

ピノと鰹だし

 ワインとつまみの無限の可能性についてはよく記事にも書いているのだが、ときどき僕自身も固定観念にヤラれているなと思い知り、平手打ちを食らわされたような気分になることがある。
 しば漬けと赤ワインの相性を発見したときの話は前に書いた(と思う)。今回の発見は、ピノと鰹だし。シャンパーニュのアテにそばつゆがいいと書いていたのはたしか葉山孝太郎さん。先日、時鮭の塩焼きに合わせて抜栓2日目のAOCブルゴーニュを飲んでいて、ふとその話を思い出した。そば用にとっておいた鰹だしが鍋のなかにあった。シャンパーニュではなくて、ピノノワールにだしというのをやってみたら、これがなかなか悪くないのだ。だしをすすってからワインを飲むと、ワインのいままで知らなかった表情が見えたりする。酸味、ミネラル、旨味成分あたりにワインとだしに相通じるものがあるのだろう。
 ピエモンテの赤(ネッビオーロやバルベーラ)などでヨード香の強いものは、シーチキンの匂いとしか表現できない香りがしたりするのだから、赤ワイン=魚っぽい風味は案外自然なのかもしれない。最近は寿司屋でも白ワイン一辺倒ではなく、ピノの赤を勧めるところが増えているという。むべなるかな、なのだ。旅路は長い……。

0 件のコメント:

コメントを投稿