2010年11月5日金曜日

いま、そこにあるワインを、きちんと



 物音で目が覚める。午前4時半。うちのなかをチェックしたが何ごともない。が、意識が冴えてしまって眠れなくなる。キッチンに行って、寝る前に飲んでいたイタリアワインの残りを飲む。夕食の残りのネギとニラと油揚げの炊き合わせを食べる。1Q84のラストを読むうちにボトルが空になる。ワインが足りない。前日の夕方買ってきたばかりのワインをチェックし、コート・デュ・ローヌを選ぶ。猫も起きてきて走ったりトイレをしたりしている。シャトー・レザムールズ2007は、少なくとも開栓直後は、よくあるキャンディー風味の凡庸なワインに過ぎない。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの10年物を飲んだ直後なのだ、多くを望むのは若いコート・デュ・ローには気の毒というもの。それでも、飲み干してしまったワインを未練たらしく語るのは別れた女に執着するがごとし。いま、ここにあるシャトー・レザムールズをきちんと賞味しようではないか。この状態では高尚なつまみなど合うはずもない。流しのそばに冷めたゆで卵があったのを思い出し、それを食ってみることにする。塩を振りかけて合わなければ、マヨネーズでもマスタードでもつけてみるのだ。

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