2009年10月6日火曜日
急いてはワイン評価をし損じる
南ローヌのヴァントゥー山には大昔からグラン・ゾム(大男)伝説が伝えられるという。その伝説の名を戴いたドメーヌ・デュ・グラン・ジャケ レ・グラン・ゾム2008を昨日開けた。ワインショップでは「パワフルなフルボディ」が売り文句になっていたが、抜栓直後の印象はどちらかというと線が細く、やわな美少年という感じだった。強いて特徴的だと思ったのは静かに漂う花の香り。4分の1くらいを飲んで栓を閉じてから丸1日。時間が大男を目覚めさせた。グラスに鼻を近づけるとのけぞるような強い芳香なのだ。それはまごうかたなきバラの花。バラは品種によって匂いの強弱に差があるそうだが、イメージで言うなら、深紅の、大輪のバラの花。造り手のジョエル・ジャケはビオディナミを取り入れたビオロジーを実践している人。自然派ワインゆえの後伸びか。ワインに必要な時間に比べ、ときに人は結果を急ぎすぎるものだ。そんな殊勝な気分にしてくれるこのワイン、1880円(税込)である。
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