往く月を
見送りながら
ロドリゲス
4度目のボルドー取材から帰国して1週間。いまだ時差ぼけが抜けない。年齢による肉体の衰えについては語りたくないが、ここ数年時差ぼけから立ち直るのに日数がかかる。昨夜は零時に床に就き3時33分に目が覚めた。世の中には3時間睡眠で通す人だっているそうだが、生来ロングスリーパーである僕には到底無理。次なる睡魔を誘うべくキッチンの椅子に座って、昨夜開けたテルモ・ロドリゲスの白の続きを飲む。抜栓時よりもワインが落ち着いて邪気やてらいのない円い味がする。おりから今宵は中秋の名月。ワインに手を出す前には皓々として西の空にあった月だったが、ワインを手にじっくり眺めようと再びベランダに出たときにはすでに雲の向こうに隠れていた。月もワインもこちらの都合通りにはゆかぬ。それも魅力のうちなのかもしれない。
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