初夏に出して好評だった某女性誌のワイン特集を晩秋に再びやることになり、またしても赤+白+泡=60本のワインリスト作成を担当することになった。かくして連夜の試飲が始まったというわけである。ここ数日のうちに恵比寿パーティで8本、目黒信濃屋で6本、広尾ヴィノスやまざきで6本を購入。日々試飲をしているが、家でやっているとついつい本格的に飲んでしまい、せいぜいが1日2、3本。これでは締め切りに間に合わぬ。目下の出色モノは、カリフォルニアの赤2本。ソノマの名門ケンウッドのシングル・ヴィニヤードものであるマドローネ・ヴィニヤードのメルロ2006とレイヴェンス・ウッドのジンファンデル2006。南仏の同価格帯の赤と比べてもアメリカに軍配が上がる。とくに後者のジンファンデルは抜栓2日目にマデイラのような香りが出て、ますます旨くなった。ワイン飲みとして駈けだしだったころ、中目黒のワインバーでよくジンファンデルを飲んだが、知らぬ間にすっかり洗練されたものだ。
昨日、ワイン仲間で中国料理シェフのFが電話をしてきた。ソムリエ試験の一次が終わったところだそうで、不安げである。同じ日、東京で試験に挑んだはずのスペインバル店主Kにメールしてみる。返信が来て、彼は勘が当たって8割できたと自信満々。
一方で、おととい僕はとあるワイン好きのバレリーナに取材をした。彼女はワイン好きが嵩じて数年前にワインエキスパートの資格を取ったとのこと。ボルドーを飲みながら話を聞いたのだが、資格を取った頃の知識はほとんど忘れてしまったとのこと。ソムリエの資格を持つ元CAにも同様のことを言う人がいた。それも仕方のないことなのだろう。資格とか試験というのは大なり小なりそういうものだ。しかし、と僕は思うのである。それぞれのワインとの付き合い方によって、押さえておくべきワイン知識の領域は異なるだろう。が、畢竟ワインとは総合的な要素からのみ語りうるものである。せっかく資格が取れるほどのワイン総合力を身に付けたのならば、その後もキープしてもらいたい。こういうのは余計なお節介、老婆心だと? それは承知の上で言っているのだ。
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